Gemini【速報要約】Google Cloud 主催「Agentic AI Summit '26 Spring」基調講演まとめ〜AIは「生成」から「実行」のフェーズへ〜

はじめに

本日(2026年3月19日)、Google Cloud Japan 主催の「Agentic AI Summit '26 Spring」が開催されました。生成AIの技術進化が目覚ましい中、議論の焦点はすでに「AIに何を作らせるか」から「AIに何を自律実行させるか」へとシフトしています。
本記事では、基調講演で語られた最新トレンドや企業の先行事例をピックアップし、大企業やエンタープライズ企業の実務にどう活かせるか、当社の視点を交えて要約・整理します。
 

3行サマリー(本講演の結論)

  • 「生成」から「実行」へ: AIの役割は単なる作業支援を超え、複雑な業務プロセスを複数エージェントが自律的に連携・実行する「Agentic AI」の時代へ突入しています。
  • Gemini Enterpriseが「総司令塔」に: 社内のあらゆる文脈を把握する大ベテラン社員のように振る舞い、各専門AIエージェントを指揮するプラットフォームとして位置づけられています。
  • 競争軸は「機能」から「体験(CX)」へ: 顧客体験のパーソナライズや代理アクションが当たり前になりつつあり、1度の悪い体験で82%のユーザーが離脱するシビアな時代になっています。

目次

基調講演で強調されていた3つの論点

1. 先進企業におけるAIエージェントの実装事例

エンタープライズ企業では、すでにトップダウンでのAIエージェント実装が進んでいます。
  • 日立製作所: 鉄道保守業務において、センサーデータとAI、ドメイン知識を掛け合わせることで、保守コストを最大15%削減するなどの成果を出しています。また、全社的な利用率向上のため、IT部門と業務部門の融合組織を立ち上げ、ユースケースの蓄積を推進している点もリアルな課題解決のアプローチとして注目です。
  • KDDI: 社内で500名以上が参加するAIハッカソンを実施し、非エンジニアチームが優勝するなど、現場レベルでの業務改善が加速しています。
  • サイバーエージェント: 独自のAIプラットフォームを用いてクリエイティブ制作プロセスをAIエージェントに置き換え、累計120万点の生成と制作効率30%の圧縮を実現しています。

2. 顧客体験(CX)を根本から変えるエージェントの力

コンシューマーの期待値は、従来の「Webフォームへの手動入力」から「AIによるパーソナライズとイマーシブ(没入型)な体験」へと変化しています。講演内のデモでは、ECサイト上でユーザーの自宅の庭の画像を元に、実際の販売商品を使った誕生日の飾り付けシミュレーション動画をAIが即座に生成する様子が紹介されました。

3. AI時代の統合開発環境「Google Anti Gravity」

ソフトウェア開発のあり方を根底から変えるツールとして、AIエージェントの活用を前提とした次世代の統合開発環境(IDE)「Google Anti Gravity(Antigravity)」が紹介されました。設計、コーディング、テスト、デプロイメントに至るまで、複数のAIエージェントがオーケストレーションを行います。ブラウザを自動操作してテストを行うサブエージェント機能なども備えており、体験予約サイトへのチャット機能追加をわずか10分程度で完結させるデモは非常に印象的でした。

用語整理

  • Agentic AI(エージェンティックAI): 指示された単一のタスクをこなすだけでなく、目標達成に向けて複数のステップを自律的に計画し、実行するAIシステムのこと。
  • マルチエージェント: 法務や経理など、特定の専門知識を持った複数のAIエージェントが、相互に連携・協力しながら複雑なタスクを処理する仕組み。
  • 電子透かし(SynthID等): 生成された画像や動画、音声がフェイクではなくAIによる生成物であることを判定可能にする安全性・ガバナンス担保の技術。

自社視点

エンタープライズ企業における「Agentic AI」実装の壁と、確実な一歩の踏み出し方

日立製作所様やKDDI様のような素晴らしい先行事例がある一方で、多くのエンタープライズ企業では「各部門でAIツールが乱立し、ガバナンスが効いていない(シャドーAI化)」「既存のレガシーシステムとの連携ハードルが高い」「全社横断的なプロセスにどう組み込むべきか分からない」といった複雑な課題に直面しています。
このような大企業特有の課題に対して、今回発表された「Agentic AI」は強力な解決策となります。その理由は以下の2点です。
  • 「部門の壁(サイロ化)」を越えるオーケストレーション:
    • Gemini Enterpriseを「総司令塔」として据えることで、法務・経理・マーケティングといった各部門に特化した専門AIエージェント同士を連携させ、分断されていた業務プロセスをシームレスにつなぐことが可能になります。
  • エンタープライズ基準のガバナンス担保:
    • 大企業のIT部門が最も懸念するセキュリティにおいても、電子透かし(SynthID等)やエンタープライズ水準のセキュアな環境でAIを稼働させることで、コンプライアンス要件を満たしながら安全に自律型AIを活用できます。

「生成」から「実行」へ移行する今、求められるのは伴走パートナー

Agentic AIの恩恵を最大化するには、「とりあえずツールを入れる」のではなく、「自社のどの複雑な業務プロセスを、どう分解してエージェントに委譲すべきか」という上流の業務設計(棚卸し)が何よりも重要です。
当社では、大企業・エンタープライズ企業様向けに、最新のAI技術を活用した業務プロセス変革の伴走支援を行っています。ユースケースの選定・構想策定といった上流フェーズから、セキュアな環境でのPoC(概念実証)、そして現場への定着化までを一気通貫でサポートいたします。
「自社に合ったAgentic AIの活用シナリオから一緒に考えてほしい」「他社の事例を自社にどう適用できるかディスカッションしたい」とお考えのDX推進担当者様やIT部門マネージャー様は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。

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参考・出典情報

  • 免責事項:本記事は公開された基調講演の内容を当社独自の視点で要約・整理したものです。正確な表現やGoogle Cloudの公式見解、各サービスの最新の提供状況などについては、上記の公式一次情報をご確認ください。