【初心者向け解説】DNSとIPアドレスの違いとは?
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1. IPアドレスとは?
IPアドレスの役割
IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、インターネット上でデバイスを識別するための「住所」のようなものです。
例えば、郵便物を届けるためには正確な住所が必要なように、インターネット上でもデータを送受信するためには各デバイスに割り当てられたIPアドレスが必要になります。
IPv4とIPv6の違い
現在、IPアドレスには IPv4 と IPv6 の2種類があります。
種類 | 例 | ビット数 | 特徴 |
IPv4 | 192.168.1.1 | 32ビット | 約43億個のアドレスが利用可能だが、枯渇問題が発生 |
IPv6 | 2001:db8::ff00:42:8329 | 128ビット | ほぼ無限のアドレス空間を持ち、今後の標準規格 |
IPv4は広く使われていますが、アドレスの枯渇が問題視されており、IPv6の普及が進んでいます。
IPアドレスの種類
IPアドレスは グローバルIPアドレス と プライベートIPアドレス に分けられます。
種類 | 役割 | 例 |
グローバルIPアドレス | インターネット上で一意のアドレス | 203.0.113.1 |
プライベートIPアドレス | 家庭や企業のネットワーク内で使用 | 192.168.1.1 |
プライベートIPアドレスはLAN(ローカルネットワーク)内でのみ使われ、外部とはルーターを介して通信します。
2. DNSとは?
DNSの役割
DNS(Domain Name System)は、 「ドメイン名」を「IPアドレス」に変換する仕組み です。
例えば、私たちは「google.com」と入力するだけでGoogleのサイトにアクセスできますが、実際の通信では 「142.250.72.14」 というIPアドレスが使われています。DNSは、この変換を自動で行うことで、インターネットを使いやすくしています。
DNSの仕組み
DNSは以下の手順でドメイン名をIPアドレスに変換します。
- ユーザーが「google.com」と入力
- DNSリゾルバ(最初に問い合わせを受けるサーバー)が検索
- ルートDNSサーバー → TLD(トップレベルドメイン)DNSサーバー → 権威DNSサーバーの順に問い合わせ
- 「google.com」に対応するIPアドレス(例:142.250.72.14)が返される
- ユーザーのブラウザがそのIPアドレスに接続し、Googleのページが表示される
この仕組みのおかげで、私たちは難しいIPアドレスを覚えなくても簡単にウェブサイトを利用できます。
4. DNSの仕組みをさらに詳しく
キャッシュDNSとは?
DNSの問い合わせは毎回行われると時間がかかるため、キャッシュ によって高速化が図られています。
例えば、一度アクセスしたサイトのIPアドレス情報は、パソコンやルーターに一時的に保存 されます。これにより、次回アクセス時にDNSサーバーへの問い合わせを省略し、より高速にサイトを表示できます。
DNSのセキュリティリスク
DNSにはセキュリティ上のリスクもあります。
1. DNSキャッシュポイズニング(DNSスプーフィング)
悪意のある攻撃者が偽のIPアドレスをDNSサーバーに登録し、ユーザーを偽のサイト に誘導する攻撃です。
- フィッシング詐欺や情報漏洩のリスクがある
- 被害者は正規のサイトだと思い込み、個人情報を入力してしまう可能性がある
2. DNSの暗号化(DoH・DoT)
DNS通信は通常 暗号化されていない ため、通信内容を盗聴される可能性があります。
- DNS over HTTPS(DoH):DNSリクエストをHTTPS経由で暗号化
- DNS over TLS(DoT):TLSプロトコルを利用してDNS通信を暗号化
Google ChromeやFirefoxなどのブラウザでは、DoHを標準でサポートし、安全な通信を実現しています。