【初心者向け解説】Difyでナレッジを設定する際のクローリング深度の影響とは?

[updated: 2025-03-13]

はじめに

近年、Difyのような生成AIプラットフォーム を活用して、企業のFAQや社内情報をAIに学習させるケースが増えています。AIに正確な情報を提供するためには、ナレッジのクローリング深度を適切に設定すること が重要です。
しかし、「クローリング深度をどう設定すればよいのか?」について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。適切な設定を行わないと、AIの回答精度が低下したり、不要な情報を取り込んでしまうリスクがあります。
本記事では、Difyを活用する際にナレッジ設定のクローリング深度がどのように影響するのかを詳しく解説します。
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Difyにおける「ナレッジ」とは?

Difyでは、ナレッジ機能 を利用して、外部データをAIの知識として活用できます。例えば、以下のようなデータをナレッジとして登録可能です。
データの種類具体的な例
Webページ企業のFAQ、公式ドキュメント、ブログ記事
ドキュメントPDF、Excel、Wordのファイル
データベース/API社内のデータベース、CRM、カスタマーサポートシステム
特に、Webページの情報を取得(クローリング) する場合、クローリング深度の設定が重要 になります。
🔗 Dify公式サイトhttps://dify.ai/

クローリング深度とは?

クローリングの深度(Depth) とは、クローラーがWebサイト内をどこまで巡回するか を示す指標です。

クローリング深度のイメージ

この場合、「過去の事例・ブログ記事」は深度3 となります。
クローリング深度の設定によって、AIが取得する情報の範囲が変わる ため、慎重に設定する必要があります。

クローリング深度がナレッジ設定に与える影響

クローリング深度が「浅い」場合の影響

特徴

  • トップページやFAQページなど、主要なページのみを取得
  • クローラーの負荷が小さく、処理が速い
  • 不要な情報を取得せず、精度の高いナレッジを作成できる

Difyでの影響

AIの回答精度が向上(重要な情報のみを学習)
クローリング時間が短縮(高速なデータ収集)
ノイズが少ない(誤った情報を拾いにくい)
詳細なページの情報が不足する可能性(FAQの補足情報が欠ける)

浅いクローリングが向いているケース

✅ 企業のFAQや商品情報を正確にAIに学習させたい場合
AIの応答精度を優先し、不要な情報を避けたい場合
✅ クローリングの負荷を下げ、更新頻度を高くしたい場合

クローリング深度が「深い」場合の影響

特徴

  • サイト内の奥深くまで巡回し、詳細な情報を取得
  • クローリングの負荷が高くなり、時間がかかる
  • データの網羅性が向上するが、不要な情報が混ざる可能性もある

Difyでの影響

より詳細な情報を含んだナレッジが構築できる(FAQだけでなく、関連情報も取得)
応答の多様性が向上(ユーザーの質問に対する回答バリエーションが増える)
企業のブログやサポート記事も活用可能
クローリング時間が長くなる(負荷がかかる)
不要な情報も取得する可能性がある(AIが誤った回答をするリスク)

深いクローリングが向いているケース

社内マニュアルや専門的な情報を網羅的に取得したい場合
FAQの詳細情報や過去の対応事例もAIに学習させたい場合
カスタマーサポート向けのAIで、多様な質問に対応したい場合

クローリング深度を最適化するには?

1. 重要なページを優先的にクロールする

Difyでは、クロール対象のページを手動で指定できます。
  • FAQページを優先的にクロール する
  • 不要なページ(古い記事など)は除外 する

2. 内部リンクを活用して深いページも適切に取得

  • FAQページから詳細ページへのリンクを明示的に記載することで、AIが関連情報を適切に取得 しやすくなります。

3. robots.txtやmetaタグでクロール範囲を制御

  • Difyに取得させたくないページは で除外
  • を設定し、不要なページをクロール対象外に

4. テストクローリングで適切な深度を決定

  • 初めは深度を「浅め」に設定し、必要に応じて深度を調整
  • クローリング結果を分析し、不要な情報が含まれていないか確認

まとめ:Difyのナレッジ設定でのクローリング深度の影響

クローリング深度特徴Difyでの影響
浅いクローリング主要ページのみを取得(FAQ・トップページ)AIの応答精度が向上し、不要な情報を拾いにくい
深いクローリングサイト内の奥深くまで情報を取得詳細なデータが学習できるが、誤情報のリスクや負荷が増える
Difyなどの生成AIでナレッジを構築する際には、
  • AIの精度を重視するなら浅いクローリング
  • データの網羅性を重視するなら深いクローリング といった形で、適切に設定を調整しましょう。
適切なクローリング深度を設定することで、より賢く、正確なAIアシスタントを構築できます。

参考リンク

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