【初心者向け】KubernetesとDockerの違いを「料理」に例えて解説
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1. KubernetesとDockerとは?まずはコンテナ技術を理解しよう
コンテナ技術とは?
まず、KubernetesとDockerの違いを知る前に、「コンテナ技術」について理解しておきましょう。
コンテナ技術とは、アプリケーションをその動作環境ごとパッケージ化し、どこでも同じように動作させる仕組み のことを指します。
例えば、こんな経験はありませんか?
- 開発環境では動いたのに、本番環境では動かない
- チームメンバーごとに開発環境が違い、動作にばらつきがある
こうした問題を解決するのがコンテナ技術です。
コンテナを利用すれば、アプリケーションを「どこでも同じ環境で実行できる」ようになります。
このコンテナ技術を実現する代表的なツールが Docker であり、そのコンテナを管理・運用するための仕組みが Kubernetes です。
2. KubernetesとDockerを「料理」に例えてみよう
コンテナ技術は一見難しく感じるかもしれませんが、料理に例えるとイメージしやすくなります。
Docker = 料理のレシピと材料
Dockerは、アプリケーションをコンテナという単位でパッケージ化する技術です。
料理で例えると、「レシピ」と「材料」のようなものです。
Dockerの要素 | 料理の例え |
Dockerfile(コンテナの設計図) | 料理のレシピ(作り方) |
アプリのコードやライブラリ | 料理の材料(卵、米、調味料など) |
コンテナイメージ | 下準備が完了した食材セット |
コンテナ | 実際に調理された料理 |
例えば、オムライスを作るとしましょう。
レシピ(Dockerfile)に従って、必要な材料(卵、ご飯、ケチャップなど)を用意すれば、どこでも同じオムライスが作れます。
Dockerの役割も同じで、アプリケーションとその動作環境をパッケージ化し、どこでも同じ動作ができるようにする のが特徴です。
Kubernetes = レストランの厨房管理システム
Dockerが「レシピと材料」なら、Kubernetesは「レストランの厨房管理システム」のようなものです。
Kubernetesの機能 | 料理の例え |
負荷分散(スケールアウト) | 注文が増えたらシェフを増やす |
自己修復(セルフヒーリング) | 焦げた料理(エラー発生したコンテナ)を作り直す |
デプロイ管理 | 料理の作り方(アプリのバージョン)を統一する |
スケジュール管理 | どのシェフ(サーバー)がどの料理を作るかを指示する |
レストランでは、たくさんの料理を作る必要があり、一人のシェフ(Dockerコンテナ)だけでは間に合いません。
そこで、Kubernetesが厨房の管理者として、「どのシェフがどの料理を作るか」「料理の品質を保つにはどうすべきか」 を管理します。
例えば、オムライスの注文が急増した場合、Kubernetesが自動でシェフを増やし、効率よく料理を提供できるようにします。
また、万が一失敗した料理があれば、自動で作り直して品質を維持します。
3. Dockerだけではダメなの?
「それなら、Dockerだけで十分では?」と思うかもしれません。
結論としては、小規模ならDockerだけでOK!でも、大規模になるとKubernetesが必要 です。
高度な管理が必要な場合は、Kubernetesのほか、ECS(AWSのコンテナ管理サービス)やNomadなどの選択肢もあります。
利用ケース | 適した技術 | 例 |
小規模アプリ | Docker | 一人暮らしの自炊 |
大規模システム | Kubernetes | レストラン経営 |
Dockerは便利ですが、大量のコンテナを手動で管理するのは大変です。
Kubernetesを使えば、スケールアウトやエラー対応を自動化でき、大規模なシステム運用が容易になります。