【初心者向け】KubernetesとDockerの違いを「料理」に例えて解説

[updated: 2025-02-27]

はじめに

「KubernetesとDockerの違いがよく分からない…」と感じていませんか?
実は、この2つの技術は密接に関係していますが、役割が大きく異なります。
今回は、初心者の方にも分かりやすいように 「料理」に例えて KubernetesとDockerの違いを解説していきます。
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1. KubernetesとDockerとは?まずはコンテナ技術を理解しよう

コンテナ技術とは?

まず、KubernetesとDockerの違いを知る前に、「コンテナ技術」について理解しておきましょう。
コンテナ技術とは、アプリケーションをその動作環境ごとパッケージ化し、どこでも同じように動作させる仕組み のことを指します。
例えば、こんな経験はありませんか?
  • 開発環境では動いたのに、本番環境では動かない
  • チームメンバーごとに開発環境が違い、動作にばらつきがある
こうした問題を解決するのがコンテナ技術です。
コンテナを利用すれば、アプリケーションを「どこでも同じ環境で実行できる」ようになります。
このコンテナ技術を実現する代表的なツールが Docker であり、そのコンテナを管理・運用するための仕組みが Kubernetes です。

2. KubernetesとDockerを「料理」に例えてみよう

コンテナ技術は一見難しく感じるかもしれませんが、料理に例えるとイメージしやすくなります。

Docker = 料理のレシピと材料

Dockerは、アプリケーションをコンテナという単位でパッケージ化する技術です。
料理で例えると、「レシピ」と「材料」のようなものです。
Dockerの要素料理の例え
Dockerfile(コンテナの設計図)料理のレシピ(作り方)
アプリのコードやライブラリ料理の材料(卵、米、調味料など)
コンテナイメージ下準備が完了した食材セット
コンテナ実際に調理された料理
例えば、オムライスを作るとしましょう。
レシピ(Dockerfile)に従って、必要な材料(卵、ご飯、ケチャップなど)を用意すれば、どこでも同じオムライスが作れます。
Dockerの役割も同じで、アプリケーションとその動作環境をパッケージ化し、どこでも同じ動作ができるようにする のが特徴です。

Kubernetes = レストランの厨房管理システム

Dockerが「レシピと材料」なら、Kubernetesは「レストランの厨房管理システム」のようなものです。
Kubernetesの機能料理の例え
負荷分散(スケールアウト)注文が増えたらシェフを増やす
自己修復(セルフヒーリング)焦げた料理(エラー発生したコンテナ)を作り直す
デプロイ管理料理の作り方(アプリのバージョン)を統一する
スケジュール管理どのシェフ(サーバー)がどの料理を作るかを指示する
レストランでは、たくさんの料理を作る必要があり、一人のシェフ(Dockerコンテナ)だけでは間に合いません。
そこで、Kubernetesが厨房の管理者として、「どのシェフがどの料理を作るか」「料理の品質を保つにはどうすべきか」 を管理します。
例えば、オムライスの注文が急増した場合、Kubernetesが自動でシェフを増やし、効率よく料理を提供できるようにします。
また、万が一失敗した料理があれば、自動で作り直して品質を維持します。

3. Dockerだけではダメなの?

「それなら、Dockerだけで十分では?」と思うかもしれません。
結論としては、小規模ならDockerだけでOK!でも、大規模になるとKubernetesが必要 です。
高度な管理が必要な場合は、Kubernetesのほか、ECS(AWSのコンテナ管理サービス)やNomadなどの選択肢もあります。
利用ケース適した技術
小規模アプリDocker一人暮らしの自炊
大規模システムKubernetesレストラン経営
Dockerは便利ですが、大量のコンテナを手動で管理するのは大変です。
Kubernetesを使えば、スケールアウトやエラー対応を自動化でき、大規模なシステム運用が容易になります

4. 実際に使うときのポイント

Dockerが向いているケース

  • 個人開発(趣味のアプリ開発)
  • 小規模なシステム(数台のサーバーで運用するアプリ)
  • ローカル環境でのテスト
まずはDockerを学び、コンテナ技術の基礎を理解するのがオススメです。

Kubernetesが必要なケース

  • 大規模なサービス(数十~数百のサーバーを運用するアプリ)
  • チーム開発(複数人でアプリを運用)
  • 自動スケーリングが必要(アクセス増加に対応)
本格的に運用する場合は、Kubernetesの導入が一般的です。
また、プロジェクトによっては他のオプション(ECS, OpenShiftなど)も検討できます

5. まとめ:DockerとKubernetesの違いを整理

用語料理の例え役割
Docker料理のレシピと材料アプリをコンテナ化し、どこでも同じ環境で動作させる
Kubernetes厨房管理システム複数のコンテナを自動で管理・運用する
まずは Dockerを学び、コンテナ技術の基礎を理解する のがオススメです。
その後、規模が大きくなったら Kubernetesを導入し、運用を効率化 していきましょう。

参考リンク

コンテナ技術を活用することで、システム運用の効率が大きく向上します。
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