データ分析で「なんとなくダメ」を見抜く!~データ分析官が解説する原因分析の基礎~

どうも、ElcamyのデータサイエンティストのTです。今日は、ビジネスマンなら誰もが経験するであろう「なんとなくダメ」をデータ分析で解き明かす、原因分析の基礎について解説していきます。
僕自身、データ分析の仕事をしていると、「なんか売上が伸び悩んでるんだけど、原因調べて」と相談を受けることがよくあります。漠然とした相談ですが、データ分析官にとっては腕の見せ所。数字の海に飛び込んで、隠れた真実に光を当てる瞬間は、宝探しのようでワクワクします。
今回は、原因分析の基本的なステップから、具体的な手法、そして陥りやすい罠まで、僕がこれまで経験してきたプロジェクトの事例も交えながら、わかりやすく解説していきます。

1. データ分析は探偵!「なんとなくダメ」の正体を暴く

原因分析を始めるにあたって、まず重要なのは「なんとなくダメ」を具体的に定義することです。
例えば、「売上が伸び悩んでる」という漠然とした悩みがあったとします。この場合、
  • いつから?
  • 前年同期比でどれくらい?
  • 競合と比べてどうか?
  • どの商品/サービスが?
  • どの顧客セグメントで?
といった具体的な疑問に落とし込む必要があります。
まるで名探偵が事件の真相を解き明かすように、具体的な疑問を立て、分析の仮説を立てることで、データ分析はより精度の高いものになります。
項目具体的な疑問
期間いつから売上が伸び悩んでいるのか?
規模前年同期比でどれくらい売上は減少しているのか?
競合比較競合他社の売上はどうなっているのか?
商品/サービス特定の商品やサービスの売上が落ち込んでいるのか?
顧客セグメント特定の顧客層の売上が減少しているのか?

2. データという証拠品を集める~データの種類と収集方法~

具体的な疑問が明確になったら、次はデータという証拠品を集めます。データには様々な種類がありますが、大きく分けると以下の3つがあります。
  • 量的データ: 売上金額や顧客数、ウェブサイトのアクセス数など、数値で表せるデータ
  • 質的データ: 顧客アンケートの自由記述欄やインタビューの内容など、数値化が難しいデータ
  • ログデータ: ウェブサイトの閲覧履歴やアプリの操作ログなど、ユーザーの行動を記録したデータ
どのデータを使うかは、分析の目的や仮説によって異なります。例えば、「なぜ新規顧客獲得数が減っているのか?」を分析する場合、ウェブサイトのアクセスログや顧客アンケートの結果などが有効なデータとなります。
データの収集方法は、社内のデータベースやCRM、MAツールなどから取得する方法、外部のデータ提供サービスを利用する方法、アンケートやインタビューを実施する方法などがあります。

3. データ分析官の推理!原因を突き止める分析手法

集めたデータを使って、いよいよ原因分析を行います。分析手法は様々ありますが、代表的なものをいくつかご紹介します。
  • ABC分析: 売上貢献度の高い商品/顧客を分析し、重点施策を検討する
  • クロス集計: 性別や年齢層、地域などの属性ごとに、商品購入率やサービス利用率などを分析する
  • 相関分析: 2つのデータ間の関係性を分析し、売上に影響を与えている要因を特定する
  • 時系列分析: 時間の経過とともにデータがどのように変化したかを分析し、トレンドや季節性を把握する
  • テキストマイニング: 顧客アンケートの自由記述欄など、テキストデータから有益な情報を抽出する
これらの手法を組み合わせることで、より多角的に原因を分析することができます。
例えば、僕があるECサイトの売上低下の原因分析を依頼された際、ABC分析で売上の大部分を占める商品を特定し、クロス集計で顧客属性と購入率の関係性を分析しました。その結果、特定の年齢層の顧客の購入率が低下していることが判明し、さらに深掘りした結果、ウェブサイトのデザインがその年齢層にとって使いづらいことが原因であることがわかりました。

4. データ分析官の報告書!分析結果をわかりやすく可視化

分析結果が出たら、次はそれをわかりやすく報告する必要があります。
データ分析官は、数字やグラフを駆使して、分析結果を論理的に説明する必要があります。報告書を作成する際には、以下の3点を意識することが重要です。
  1. 結論を先に述べる: 結論を先に述べることで、忙しいビジネスマンでも要点を押さえやすくなります。
  1. グラフや図を効果的に使う: 数字の羅列だけでは理解しづらい内容も、グラフや図を使うことで視覚的にわかりやすく伝えることができます。
  1. 具体的な改善策を提示する: 分析結果に基づいた具体的な改善策を提示することで、次のアクションに繋げやすくなります。

5. データ分析は終わらない!改善策を実行し、効果を検証

データ分析の目的は、問題の原因を特定し、改善策を実行することです。
分析結果に基づいてウェブサイトのデザインを改善したり、ターゲット顧客層に合わせたマーケティング施策を実施したりすることで、初めてデータ分析の真価が発揮されます。
そして、改善策を実行した後は、再度データ分析を行い、効果を検証することが重要です。効果が出ていれば、その施策を継続したり、さらに改善したりします。効果が出ていなければ、原因を分析し、別の改善策を検討する必要があります。
データ分析は、一度行えば終わりではありません。

最後に

今回は、データ分析による原因分析の基礎について解説しました。
「なんとなくダメ」をデータ分析で見える化することで、問題解決の糸口が見えてきます。
Elcamyでは、データ分析のプロフェッショナルが、お客様のビジネス課題の解決をサポートいたします。データ分析についてお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。