AIで議事録作成を自動化するには?時間と労力を大幅に削減する方法

[updated: 2024-09-26]

はじめに

現代のビジネスにおいて、正確な議事録作成は不可欠なタスクですが、非常に時間と労力を要する作業でもあります。会議の内容を漏れなく記録し、後から振り返るためには、一字一句の聞き直しや整理が必要になることが多いためです。このような煩雑なプロセスを劇的に効率化するために注目されているのが、AI技術を活用した議事録の自動化です。AIの音声認識や自然言語処理(NLP)を組み合わせることで、会議中にリアルタイムで文字起こしを行い、要約を自動生成することが可能になりました。本記事では、AIを活用して議事録作成を効率化する具体的な手法について詳しく解説します。

AIを活用した議事録作成の仕組み

AIを使った議事録作成の自動化には、複数の技術が組み合わさっている点が重要です。ここでは、その技術的な仕組みについて詳しく説明します。

1. 音声認識技術

議事録作成の最初のステップは、会議で発せられる音声をテキスト化することです。AIの音声認識エンジンは、発言を瞬時に解析し、リアルタイムで文字データに変換します。GoogleのSpeech-to-TextやAmazon Transcribe、Microsoft Azure Speechなどが代表的なサービスで、日本語にも対応しています。これにより、手動で音声を聞き返して文字に起こす手間が省かれます。

2. 自然言語処理(NLP)

音声がテキスト化された後、次に必要なのはその内容を理解し、要約を生成することです。ここで活躍するのが自然言語処理(NLP)です。NLPの技術は、発言の文脈や重要性を分析し、重要な情報を抽出します。GPTやBERTなどの高度なモデルが、このプロセスで活用されています。これにより、AIは大量の会話から本質的な情報を要約し、適切なフォーマットで議事録を作成します。

3. エンティティ認識とタグ付け

AIによるエンティティ認識(Named Entity Recognition: NER)は、会議中に出てくる固有名詞や特定のトピックを自動で認識し、タグ付けを行います。例えば、発言中に出てくるプロジェクト名や会社名、関係者の名前を自動的に識別して整理することができます。これにより、議事録の検索や情報整理が大幅に向上します。

議事録作成を自動化するためのツールとサービス

AIを活用して議事録を自動化できる代表的なツールを以下に紹介します。これらのツールは、それぞれ異なる機能や強みを持っているため、ニーズに合わせて選定することが重要です。
ツール・サービス機能詳細
Google Cloud Speech-to-Text・音声認識サービス ・リアルタイムで音声をテキスト化。 ・会議の要約や分析も可能。Google Cloud Speech-to-Textは、Googleが提供する高精度の音声認識サービスです。特に多言語対応が強みで、日本語もスムーズにテキスト化できます。このサービスは、会議の音声をリアルタイムでテキスト化するだけでなく、GoogleのNLP技術と組み合わせることで、会議の要約や内容の分析も可能です。
Microsoft Teamsの会議キャプチャ機能・会議のリアルタイム文字起こし ・議事録自動生成。Microsoft Teamsは、会議のリアルタイム文字起こしや議事録作成をサポートするAI機能を提供しています。Teamsに組み込まれたAIは、発言内容を解析し、会議終了後に自動で議事録を生成します。さらに、会議中にリアルタイムで内容を確認しながら議論を進めることができるため、迅速な意思決定に役立ちます。
Notion AI・議事録の要約 ・ハイライト、エンティティ認識機能Notionは、AI機能が統合されたドキュメント作成ツールで、議事録の自動作成にも対応しています。Notion AIは会議の内容を要約し、文書にハイライトをつけるなど、ドキュメントの整理も自動で行います。また、エンティティ認識機能を使って、重要な情報を効率よく整理できる点も大きな強みです。

AI議事録作成のメリット

AIを使った議事録作成には、以下のような多くのメリットがあります。

時間の節約

AIによる議事録作成の最大のメリットは、時間の大幅な節約です。会議の内容を後で文字起こしして議事録を作成する従来の方法と比べて、リアルタイムで自動的に議事録が生成されるため、会議後の作業負担が劇的に軽減されます。

精度と一貫性

人間が手動で行う議事録作成では、内容の誤解や抜け落ちが発生することがありますが、AIは発言内容を正確に記録し、常に一貫した形式で議事録を作成します。特に複数の会議を横断して作成する場合、同じ基準で整理されるため、質の安定性が高まります。

リアルタイムのフィードバック

AIを使った議事録作成では、会議中にリアルタイムで文字起こしが行われるため、その場で議論内容を確認でき、会議の進行を効率的にコントロールできます。これにより、議論が脱線することを防ぎ、意思決定を迅速に進めることができます。

導入時の注意点

AIを使った議事録作成には多くの利点がありますが、導入に際していくつかの注意点もあります。

プライバシーとセキュリティ

会議の内容には機密情報が含まれることが多いため、使用するAIツールが十分なセキュリティ対策を講じているかを確認する必要があります。音声データやテキストデータが外部に漏れるリスクを防ぐために、データ暗号化やアクセス管理がしっかりしているサービスを選びましょう。

カスタマイズ性

企業やプロジェクトによっては、特定のフォーマットや表記ルールが求められる場合があります。AIツールがその組織の独自のフォーマットに対応できるかどうか、またはカスタマイズ可能かを事前に確認することが重要です。

まとめ

AIを活用した議事録作成の自動化は、ビジネスの効率向上に大きく貢献します。音声認識技術と自然言語処理の組み合わせにより、会議内容をリアルタイムで文字起こしし、正確かつ要点を押さえた議事録を作成することが可能です。また、エンティティ認識やタグ付けの活用で情報整理が容易になり、後からの検索もスムーズです。導入の際には、セキュリティやカスタマイズ性に配慮しながら、自社に最適なツールを選びましょう。
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ツール主な機能文字起こし自動要約リンク
Google Cloud Speech-to-Text・リアルタイムで音声をテキスト化。 ・会議の要約や分析も可能。https://cloud.google.com/speech-to-text?hl=ja
Microsoft Teamsの会議キャプチャ機能・会議のリアルタイム文字起こし ・議事録自動生成。https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
Notion AI・議事録の要約 ・ハイライト、エンティティ認識機能×https://www.notion.so/ja/product/ai
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