【2026年最新版】Claude Coworkとは?大企業で安全に使うための“導入・統制”入門
[更新日:2026-2-13]
はじめに
「Claude Cowork、便利そうだけど…大企業で使うなら、どこまで許せる? 監査は? 情シスは何を見ればいい?」
この“胸のざわつき”を、この記事でちゃんとほどきます。
Coworkは強力です。ただし 統制の前提(監査ログの可視性など)を誤解したまま導入すると、従来と違う種類のトラブルが起きやすくなるのが怖いところです。公式ドキュメントには、企業統制に直結する注意が明記されています。 (Claude ヘルプセンター)
この記事は 2026年2月時点 の公式情報に基づいています。Coworkは研究プレビューで、提供条件・対応OS・統制機能は変更される可能性があります。最新情報は公式をご確認ください。 (Claude)
目次
はじめに目次Claude Coworkとは?何ができる?
大企業で刺さるユースケース7選 < 仕組みの要点 >
フォルダ許可が“境界線”になる< 大企業での最大論点 >
監査ログに「載らない」作業が発生するregulated workloads(規制業務)って具体的に何?< リスクを具体化 >
事故パターン5つ< 統制設計の結論 >
安全に使うための3レイヤー1) 技術ガード
- 仕組みで事故を減らす2) 運用ガード
- 人が迷わないルール3) 組織ガード
- 広がり方を制御監査ログが取れない前提での「代替統制」具体例例1)
- 業務スコープ統制(そもそも証跡必須の仕事に使わない)例2)
- データ境界の固定(専用フォルダ+持ち込み禁止)例3)
- 成果物レビュー統制(“生成物の証跡”を残す)例4)
- 操作安全統制(破壊操作の抑止)例5)
- 段階導入統制(PoC→限定展開→全社)PoC設計< 大企業版 >
導入チェックリストA. 使う範囲を決めるB. 技術設定C. 運用ルールD. 監査・セキュリティ<まとめ>
Coworkは“使う/使わない”ではなく
「範囲を決めて使う」よくある質問Q1. Claude Coworkは無料で使えますか?Q2. Claude Coworkは企業(Team/Enterprise)でも使えますか?Q3. Coworkの操作は監査ログ(Audit Logs)に残りますか?Q4. regulated workloads(規制業務)って何ですか?Q5. Coworkでファイル削除や上書きは起こりますか?Q6. 大企業で安全に使う最初の一手は何ですか?Q7. 情シス稟議では何を書けば通りやすいですか?出典(一次情報・公式)用語・サービス名リンク集サービス紹介採用
Claude Coworkとは?
Claude Coworkは、Anthropicが提供する Claude Desktop上で動く“タスク実行型”の研究プレビュー機能です。
つまり「AIに資料作成や整理を任せて、納品物っぽい形にしてもらう」ための仕組みです。
※提供条件や対応OSは更新されます。公式ブログでは Windows対応(2026年2月10日更新) が明記されています。導入判断は必ず最新の一次情報に寄せてください。(Claude)
何ができる? 大企業で刺さるユースケース7選
大企業では「便利」なだけでなく、業務標準化・レビュー容易性・引き継ぎまで含めて効いてきます。
| ユースケース | メリット | 統制上の注意 |
|---|---|---|
| 会議メモ散在 → 議事録ドラフト | 形式統一・作成時間短縮 | 機密会議メモの扱い |
| 監査・規程のドラフト整形 | 書式・用語ゆれの吸収 | “最終責任は人”の明確化 |
| フォルダ内資料を横断して要約 | 探索コスト削減 | 参照範囲(許可フォルダ)設計 |
| 調査メモ → 報告書の叩き台 | たたき台が速い | 出典確認フロー必須 |
| ダウンロード整理(分類・リネーム) | 探し物が減る | 上書き/削除などの破壊的操作 |
| “手順書”の初稿作成 | 共有知が整う | 誤手順混入のレビュー |
| 定型レポートの下書き | 属人性低下 | データ持ち込みルール |
< 仕組みの要点 > フォルダ許可が“境界線”になる
Coworkは、ユーザーが明示的に許可したフォルダにアクセスして作業します。
実務の結論(まずこれだけ覚える)
- Cowork用に 専用の作業フォルダ(ワークスペース) を切って渡す
- いきなり共有ドライブ全体や案件フォルダ本体を渡さない
- 重要ファイルは バックアップ前提(読み書きが起こり得るため) (Claude ヘルプセンター)
< 大企業での最大論点 > 監査ログに「載らない」作業が発生する
ここが一番大事です。
公式ヘルプ(Team/Enterprise向け)には、Coworkのアクティビティが Audit Logs / Compliance API / Data Exports に記録されない と明記されています。
これが何を意味するかというと、
- 内部監査で「誰が何をしたか」を追えないケースが出る
- インシデント調査で「いつ・どの指示で・何を生成したか」の証跡が薄くなる
- 監査証跡が必須の業務では、採用判断が厳しくなる(または対象外にしやすい) (Claude ヘルプセンター)
regulated workloads(規制業務)って具体的に何?
公式が使っている regulated workloads は、ざっくり言うと
- 「コンプライアンス目的で監査証跡(audit trails)が要求される業務」を指す文脈で使われています。 (Claude ヘルプセンター)
現場の言葉にすると、次のいずれかに当てはまると “監査証跡が強く求められやすい” です。
- 外部監査の対象:会計監査、内部統制(J-SOXなど)の重要プロセス
- 当局・規制対応の対象:金融、医療、通信、重要インフラ等でのルール遵守が必要な業務
- 説明責任が重い意思決定:与信・審査・人事評価・価格決定など(後で「なぜそう判断した?」が問われる)
- 個人情報・機微情報を扱う中核業務:漏えい時の社会的影響が大きいもの
- 契約・法務・対外文書の最終版:後から真正性や作成経緯が問題になり得るもの
ポイントは「業界」だけでなく、その会社にとって“監査証跡が必須かどうか” で決まることです。
< リスクを具体化 > 事故パターン5つ
「AIが間違える」だけじゃありません。大企業で本当に痛いのは、統制の穴が“運用の常識”として広がることです。
- 誤って機密フォルダを渡す(境界線設計ミス)
- 上書き・削除などの破壊的操作(指示の曖昧さ+書き込み権限)
- プロンプトインジェクション的な誘導(悪意ある文書/指示混入)
- シャドーAI化(現場が便利で勝手に拡大)
- 監査不整合(“見えない作業”が増える)
特に②は重要です。公式ヘルプでも、Coworkは許可範囲のファイルを read / write / permanently delete できる前提で注意喚起されています。 (Claude ヘルプセンター)
※ただし 恒久削除(permanently delete)は都度ユーザーの明示許可(Allow)が必要です。逆に言うと、許可してしまうと削除は起こり得ます。 (Claude ヘルプセンター)
< 統制設計の結論 > 安全に使うための3レイヤー
大企業で“回る”統制は、ガチガチの禁止ではなく レイヤー分けがコツです。
1) 技術ガード - 仕組みで事故を減らす
- Cowork専用フォルダを用意し、そこ以外は渡さない
- 重要ファイルは 事前にバックアップ(上書き・削除対策) (Claude ヘルプセンター)
- 許可範囲(フォルダ)を最小化し、いきなり広げない (Claude ヘルプセンター)
2) 運用ガード - 人が迷わないルール
- 対象業務を限定(例:ドラフト作成・整理まで/最終提出は人)
- “入力禁止データ”を先に定義(個人情報・契約情報・認証情報など)
- 破壊的操作は「実行前に必ず確認」テンプレを用意
3) 組織ガード - 広がり方を制御
- 申請・承認(最初は部署限定PoC)
- 教育(頼み方、レビュー観点、禁止事項)
- 例外運用(監査証跡必須の業務は原則対象外) (Claude ヘルプセンター)
監査ログが取れない前提での「代替統制」具体例
Coworkの仕様として、Cowork activity is not captured in Audit Logs / Compliance API / Data Exports とされています。 (Claude ヘルプセンター)
だからこそ、稟議では「ログが取れないなら何で担保するの?」に答えられる設計が重要です。
ここでは “ログが薄い前提”でも回る代替統制を、実務で使いやすい形に落とし込みます。
例1) - 業務スコープ統制(そもそも証跡必須の仕事に使わない)
- 対象業務を「下書き・整理・要約」に限定
- 最終版・対外文書・承認が必要な成果物は Cowork外で確定
- regulated workloads(監査証跡必須領域)は 初期スコープから除外 (Claude ヘルプセンター)
例2) - データ境界の固定(専用フォルダ+持ち込み禁止)
- Cowork専用フォルダ以外は渡さない
- 「入力禁止データ(個人情報・契約・認証情報等)」を明文化し教育
- ファイル操作の前提としてバックアップ運用を必須化 (Claude ヘルプセンター)
例3) - 成果物レビュー統制(“生成物の証跡”を残す)
- “成果物は必ず指定フォルダに出す”を徹底
- レビュー担当・承認フロー(例:Pull Request / 文書レビュー)を必須化
- 「AIが作った下書き」は レビュー記録が証跡代替になる
例4) - 操作安全統制(破壊操作の抑止)
- “削除・上書きは実行前に確認”テンプレを運用に組み込む
- 重要ファイルは読み取り専用コピーを渡す/作業フォルダに複製してから編集
- 恒久削除は都度許可が必要だが、許可すれば削除され得る前提で運用設計 (Claude ヘルプセンター)
例5) - 段階導入統制(PoC→限定展開→全社)
- いきなり全社展開ではなく、部署限定PoCから開始
- 利用ルールと教育資料を整備してから段階的に広げる
- “見えない作業”が増える前に、設計を固める (Claude ヘルプセンター)
PoC設計
PoCは「便利さ」を示すだけだと失敗します。統制できる便利さを証明するのが大企業流です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 目的 | ドラフト作成の工数30%削減 書式統一 |
| 対象業務 | 週次レポート 議事録ドラフト ナレッジ整形 |
| 対象データ | 公開情報・社内一般情報のみ (機密/個人情報は除外) |
| 成功指標 | 工数 品質(レビュー差戻し回数) 定着率 |
| 監査方針 | Coworkは監査ログ等に記録されない前提で、対象業務を限定 (Claude ヘルプセンター) |
| リスク対策 | 専用フォルダ バックアップ 破壊操作は事前確認 (Claude ヘルプセンター) |
| 代替統制 | 成果物レビュー記録 段階導入 持ち込み禁止で証跡を補完 |
< 大企業版 > 導入チェックリスト
A. 使う範囲を決める
- regulated workloads(監査証跡必須の業務)は原則対象外(少なくとも初期) (Claude ヘルプセンター)
- 対象部署・対象業務・対象データを明文化
B. 技術設定
- Cowork専用フォルダ(社内標準の命名)
- バックアップ運用(少なくともPoC中は必須) (Claude ヘルプセンター)
C. 運用ルール
- 入力禁止データ(個人情報、契約・法務、認証情報など)を明文化し教育 (Claude ヘルプセンター)
- 成果物のレビュー責任者
- 破壊的操作は「実行前に確認」テンプレ
D. 監査・セキュリティ
- “Audit Logs / Compliance API / Data Exports に記録されない”前提で代替統制を設計 (Claude ヘルプセンター)
- (補足)Coworkの会話履歴は 端末ローカルに保存され、標準のデータ保持ポリシーの対象外・集中管理やエクスポートができない点にも注意 (Claude ヘルプセンター)
よくある質問
Q1. Claude Coworkは無料で使えますか?
いいえ。原則として無料プラン(Free)では使えません。
Coworkは有料プラン向けの研究プレビュー機能として提供されており、現時点ではPro / Max / Team / Enterpriseなど「Paid plans(有料プラン)」が対象です。
Q2. Claude Coworkは企業(Team/Enterprise)でも使えますか?
利用可能です。
Q3. Coworkの操作は監査ログ(Audit Logs)に残りますか?
残りません。
公式ヘルプでは、CoworkのアクティビティはAudit Logs / Compliance API / Data Exports(標準の監査・エクスポート機構)には記録されないとされています。監査証跡が必須の業務では注意が必要です。 (Claude ヘルプセンター)
Q4. regulated workloads(規制業務)って何ですか?
公式の文脈では「コンプライアンス目的で監査証跡が必要な業務」です。
Q5. Coworkでファイル削除や上書きは起こりますか?
起こります。
Q6. 大企業で安全に使う最初の一手は何ですか?
Q7. 情シス稟議では何を書けば通りやすいですか?
「便利さ」だけでなく、ログが取れない前提での代替統制(対象業務限定・専用フォルダ・成果物レビュー・段階導入など)をセットで書くと通りやすいです。一次情報(公式ヘルプ)で根拠も示しましょう。 (Claude ヘルプセンター)
出典(一次情報・公式)
- Anthropic公式ブログ:Cowork研究プレビュー紹介
- Claude Help Center:Getting started with Cowork
- Claude Help Center:Using Cowork safely
- Claude Help Center:Cowork for Team and Enterprise plans(監査ログ対象外・ローカル保存など)
- 公式チュートリアル:Cowork, a research preview
用語・サービス名リンク集
| 用語/サービス | かんたん説明 | 参照 |
|---|---|---|
| Anthropic / Claude | Claude提供元と製品 | 公式:Cowork紹介 https://claude.com/blog/cowork-research-preview |
| Claude Cowork | 研究プレビューの実行型機能 | 公式ヘルプ:入門 https://support.claude.com/en/articles/13345190-getting-started-with-cowork |
| Audit Logs / Compliance API / Data Exports | 企業向け監査・コンプラ機能群 | Coworkは対象外の注意 https://support.claude.com/en/articles/13455879-cowork-for-team-and-enterprise-plans |
| regulated workloads | 監査証跡が求められやすい業務の注意喚起 | Team/Enterprise向け注意 https://support.claude.com/en/articles/13455879-cowork-for-team-and-enterprise-plans |