【違法例3つご紹介】スクレイピングするときの注意事項3選

1. はじめに

インターネットの普及により、ウェブスクレイピング(web scraping)はデータ収集の手段として広く利用されています。スクレイピングとは、ウェブサイトから情報を自動的に抽出する技術のことです。この技術は、価格比較サイト、マーケットリサーチ、学術研究など、さまざまな用途で活用されています。
しかし、スクレイピングには法的および倫理的な問題が伴います。適切な注意を払わないと、法的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。この記事では、スクレイピングを行う際の重要な注意事項と、違法とされた具体的な事例を紹介します。

2. スクレイピングするときの注意事項3選

1. 法的な規制を確認する

スクレイピングを行う際には、まず法的な規制を確認することが重要です。以下の点に注意しましょう。
  • 著作権法: ウェブサイトのコンテンツは著作権で保護されていることが多いです。無断でコンテンツをコピーすることは著作権侵害となる可能性があります。
  • ウェブサイトの利用規約: 多くのウェブサイトは利用規約において、スクレイピングを禁止しています。利用規約に違反する行為は、法的措置の対象となることがあります。
具体的には、ウェブサイトの利用規約を確認し、明示的にスクレイピングが禁止されている場合は、そのサイトからのデータ収集を避けるべきです。

2. アクセス頻度に注意する

スクレイピングはサーバーに負荷をかける行為です。アクセス頻度を適切に管理しないと、次のような問題が発生します。
  • サーバー負荷の問題: 高頻度でリクエストを送ると、対象サイトのサーバーに過度な負荷がかかり、サービスの提供に支障をきたす可能性があります。
  • ペナルティのリスク: 過度なリクエストは、IPアドレスのブロックや法律的な措置を招く可能性があります。
適切なアクセス頻度を守り、対象サイトに過度な負担をかけないようにしましょう。例えば、時間間隔を設定してリクエストを送る、APIを利用するなどの工夫が必要です。

3. 個人情報の取り扱いに注意する

スクレイピングによって収集するデータに個人情報が含まれる場合、データ保護法に従う必要があります。以下の点を確認しましょう。
  • GDPR(一般データ保護規則): 欧州連合(EU)において個人情報を取り扱う場合は、GDPRに準拠する必要があります。
  • CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法): アメリカのカリフォルニア州における個人情報の取り扱いについて規定しています。
個人情報を扱う際には、データの取得、保存、使用に関する法的要件を満たすようにしましょう。また、個人のプライバシーを尊重し、不正に個人情報を取得しないようにすることが重要です。

3. 違法となった具体例3つ

1. LinkedIn対HiQ Labsの事例

概要: HiQ Labsは、LinkedInの公開プロフィール情報をスクレイピングし、データ分析を行っていました。LinkedInはこれに対し、利用規約違反およびコンピュータ詐欺および濫用防止法(CFAA)違反を主張して訴訟を起こしました。
判決の内容と影響: 2019年、裁判所はHiQ Labsの行為がCFAAに違反していないと判断し、公開データのスクレイピングを許可する判決を下しました。しかし、LinkedInは引き続き上訴し、最終的な法的な結論はまだ出ていません。この事例は、公開データのスクレイピングに関する法的な境界線を模索する上で重要な前例となっています。

2. Facebook対Power Venturesの事例

概要: Power Venturesは、ユーザーの許可を得てFacebookのデータをスクレイピングし、複数のソーシャルメディアアカウントを統合するサービスを提供していました。Facebookはこれを不正アクセスおよびCFAA違反として訴えました。
判決の内容と影響: 2016年、裁判所はPower VenturesがFacebookの利用規約に違反しており、CFAAにも違反していると判断しました。この判決は、明確に禁止されている行為に対するスクレイピングが法的にリスクを伴うことを示しています。

3. Ticketmaster対Prestige Entertainmentの事例

概要: Prestige Entertainmentは、Ticketmasterのサイトから大量のチケット情報をスクレイピングし、転売していました。Ticketmasterはこれを不正アクセスおよびCFAA違反として訴訟を起こしました。
判決の内容と影響: 2017年、裁判所はPrestige Entertainmentの行為が不正アクセスであり、CFAAに違反していると判断しました。この判決は、商業目的での大量スクレイピングが厳しく取り締まられることを示しています。

4. おわりに

スクレイピングは、適法かつ倫理的に行えば非常に有用なツールです。しかし、法的なリスクを回避するためには、規制や利用規約を遵守し、適切な手段を用いることが重要です。また、個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、プライバシーを尊重することが求められます。
以上がスクレイピングに関する注意事項と具体的な違法事例の紹介です。これらの情報を参考に、安全で効果的なスクレイピングを行ってください。