【Looker Studioダッシュボード事例集】マーケ・営業・経営のKPIが“1枚で”見える作り方
[updated: 2025-12-19]
はじめに
「数字はあるのに、意思決定が遅い」――この“もったいなさ”を一気に解消してくれるのが Looker Studio のダッシュボードです。Looker Studio は、さまざまなデータをつないで、カスタムできるレポート/ダッシュボードを作り、読み取りや共有を簡単にするためのツールです。 (Google Cloud)
目次
はじめにLooker StudioでできることLooker Studio ダッシュボード例(用途別7パターン)例1:マーケ全体KPI(GA4 + 広告 + CV)例2:SEOダッシュボード(Search Console中心)例3:ECダッシュボード(売上×集客×在庫の“同居”)例4:営業パイプライン(CRM/スプレッドシート/BigQuery)例5:プロダクト利用状況(GA4/イベント)例6:カスタマーサポート(問い合わせ・SLA)例7:人事・採用(応募〜採用〜定着)Looker Studioダッシュボードの作り方(初心者向け)まずは公式テンプレと「レポートギャラリー」を使うのが最短フロー0)最初に決める:レポートから作る?データソースから作る?1)レポートを新規作成する(いちばん迷いにくい)2)データソースをつなぐ(GA4 / Search Console の例)2-A)GA4(Google Analytics 4)をつなぐ2-B)Search Console をつなぐ(SEO用)3)「認証情報(credentials)」を最初に決める(共有で詰まらないコツ)4)共有は「共有」メニューから(まず“見える”状態を作る)よくある詰まり(ここだけ見れば大体解決)共有・権限・安全性でつまずかないためにFAQ(よくある質問)Q1. Looker Studioは無料で使えますか?Q2. Looker Studioで何ができるのですか?(何が便利?)Q3. GA4のデータがコネクタ一覧に出ない/選べないのはなぜ?Q4. Search Consoleのサイトが出ない/データが取れないのはなぜ?Q5. 共有したのに「相手が見れない」のはなぜ?まとめ(事例→作りたいダッシュボードが決まる早見表)参照リンクおわりにサービス紹介採用
Looker Studioでできること

Looker Studioの強みは、「現場のバラバラな数字」を“同じ画面”でみえる形に整えること。さらに、600種類以上のパートナーコネクタで多様なデータソースに接続できる点が大きいです。 (Google Cloud)
- 経営層:売上・利益・投資対効果を週次で即判断
- マーケ:GA4/広告/SEOの変化に“その日に”気づく
- 営業:パイプラインの詰まりがどこか一目で分かる
- バックオフィス:採用・稼働・コストを月次で整合
▼最短で“1枚で見える”ダッシュボードを作りたい方はこちら
Looker Studio ダッシュボード例(用途別7パターン)
「どんなダッシュボードを作ると効くのか」を、よくある業務別にまとめます。テンプレから始めてもOKです。テンプレート ギャラリーでは GA/広告/スプレッドシート/Search Console/BigQuery など向けテンプレが用意されています。 (Google Cloud Documentation)
※補足:Google公式テンプレは英語のみです(ただし、取り込むデータ自体は取得した言語で表示されます)。
例1:マーケ全体KPI(GA4 + 広告 + CV)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 施策の良し悪しを週次で判断 | セッション、CV、CPA、ROAS | 「流入は増えたがCVRが落ちている」 |
💡ポイント:広告は“媒体別”だけでなく、CVまでの貢献(LP別、キャンペーン別)で見ると議論が一気に進みます。
例2:SEOダッシュボード(Search Console中心)
Search Console向けテンプレは、テンプレート ギャラリーから探せます(対応サービスに Search Console が含まれます)。(Google Cloud Documentation)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 伸びる/落ちる原因を早期発見 | 表示回数、クリック、CTR、平均掲載順位 | 「順位は維持なのにCTRが下がった=タイトル改善余地」 |
※データ接続の手順はこちら
例3:ECダッシュボード(売上×集客×在庫の“同居”)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 売れてない理由を分解 | 売上、粗利、在庫回転、集客別CV | 「在庫切れが機会損失を作っていた」 |
💡ポイント:ECは“売上”だけだと遅いです。在庫・配送・返品まで見えると打ち手が増えます。
例4:営業パイプライン(CRM/スプレッドシート/BigQuery)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 詰まりを解消して受注率UP | ステージ別件数、滞留日数、受注率、平均単価 | 「提案後の滞留が長い=資料・稟議の壁」 |
例5:プロダクト利用状況(GA4/イベント)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 使われる機能を増やす | アクティブ率、継続率、機能別利用、離脱点 | 「新機能は使われるが定着しない=導線問題」 |
例6:カスタマーサポート(問い合わせ・SLA)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 対応品質と工数の両立 | 件数、初動、解決時間、カテゴリ別 | 「特定カテゴリが急増=UI変更の影響」 |
💡ポイント:FAQ改善と連動させると、CSの“忙しさ”が数字で減っていくのが見えて気持ちいいです。
例7:人事・採用(応募〜採用〜定着)
| 目的 | 主要KPI | よくある気づき |
|---|---|---|
| 採用のボトルネック特定 | 応募数、面接通過率、採用単価、辞退理由 | 「母集団はあるのに面接で落ちる=求人要件がズレ」 |
Looker Studioダッシュボードの作り方(初心者向け)
まずは公式テンプレと「レポートギャラリー」を使うのが最短
Looker Studioには、テンプレート ギャラリー(Google作成テンプレ)や、レポートギャラリー(公式の公開ギャラリー)があります。
- テンプレは、そのまま使うことも、要件に合わせてカスタムすることも可能
- レポートギャラリーは「良いダッシュボードの型」を学べる場所
▼テンプレでは足りない部分を、業務に合わせて作り込みたい方はこちら
フロー
0)最初に決める:レポートから作る?データソースから作る?
Looker Studioは大きく2通りで始められます。
- レポートから作る(おすすめ):まず「レポート作成」→ 画面の指示に沿ってデータを追加
- データソースから作る:先に「データソース作成」→ 最後に「CREATE REPORT」でレポート化
2)データソースをつなぐ(GA4 / Search Console の例)
2-A)GA4(Google Analytics 4)をつなぐ
事前条件:GA4プロパティに 「表示と分析(Read & Analyze)」以上の権限が必要です。
【手順】
- Looker Studioのホームで「作成(Create)」→「データソース(Data Source)」
- Google Analytics コネクタを選ぶ
- 初回は「AUTHORIZE(許可)」でアクセス許可
- アカウント → プロパティを選ぶ
- 右上の CONNECT を押して接続完了
接続後、右上に CREATE REPORT が出るので、押す → ADD TO REPORT でレポートに追加できます。
2-B)Search Console をつなぐ(SEO用)
【手順】
- 「作成(Create)」→「データソース(Data Source)」
- Search Console コネクタを選ぶ
- 初回は「AUTHORIZE(許可)」
- Sites で対象サイトを選ぶ
- Tables を選ぶ
- Site Impression(サイト全体の集計)
- URL Impression(ページ単位の集計)
- Search Type(web / image / video / news / discover など)を選ぶ
- 右上 CONNECT で接続完了
重要:サイトが一覧に出ないときは、Looker StudioとSearch Consoleを同じGoogleアカウントで開いているか、そしてSearch Console側で 少なくとも閲覧権限があるかを確認します。また、Site Impression と URL Impression を同じレポートで並べたい場合は、データソースを2つ作るのが公式推奨です。
3)「認証情報(credentials)」を最初に決める(共有で詰まらないコツ)
レポートを共有する前にここだけ押さえると事故が激減します。
- Owner’s Credentials:作成者(または指定した所有者)の権限で閲覧させる
- → 閲覧者が元データ権限を持ってなくても見せられる(※元データへの直接権限を付与するわけではない)
- ※便利な一方、共有相手によっては意図せずデータが見えてしまうため、共有先は信頼できる相手に限定しましょう。
- Viewer’s Credentials:閲覧者それぞれの権限で見せる
- → 閲覧者が元データに権限を持っていないと表示されない
- Service Account Credentials(BigQueryのみ):サービスアカウントで認証
- → 利用できるのはBigQueryデータソースのみで、Google Workspace / Cloud Identity の管理組織で管理者が事前設定している必要があります(組織要件あり)。
【設定場所】
データを追加する画面で、データソースを選んだ後〜「追加(Add)」する前に「Data credentials」をクリックして選びます。
まとめ(事例→作りたいダッシュボードが決まる早見表)
| 目的 | まず作るべきダッシュボード | 主データソース例 |
|---|---|---|
| 施策判断を早くしたい | マーケ全体KPI | GA4 / 広告 / Sheets |
| SEOを伸ばしたい | Search Console分析 | Search Console |
| 営業を強くしたい | パイプライン可視化 | CRM / Sheets / BigQuery |
| ECの利益を上げたい | 売上×在庫×集客 | 受注DB / 在庫DB / GA4 |
| プロダクト改善したい | イベント・継続率 | GA4(イベント) |
| CSを安定させたい | 問い合わせ・SLA | CSツール / Sheets |
| 採用を整えたい | 応募〜採用KPI | ATS / Sheets |
参照リンク
■ Looker Studio(公式)
https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja
■ Looker Studio テンプレートからレポートを作成(公式ドキュメント)
https://docs.cloud.google.com/looker/docs/studio/create-a-report-from-a-template?hl=ja
■ Report Gallery(公式)
https://lookerstudio.google.com/gallery
■ 使用可能なコネクタ(公式ドキュメント)
https://docs.cloud.google.com/looker/docs/studio/available-connectors?hl=ja
■ Google Analytics 4 接続(公式ドキュメント)
https://docs.cloud.google.com/looker/docs/studio/connect-to-google-analytics?hl=ja
■ Search Console 接続(公式ドキュメント)
https://docs.cloud.google.com/looker/docs/studio/connect-to-search-console?hl=ja
■ レポート共有(公式ドキュメント)
https://docs.cloud.google.com/looker/docs/studio/ways-to-share-your-reports?hl=ja
■ Looker Studio(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Looker_Studio
おわりに
もし「自社でも活用できそう」「Looker Studioって気になるけれど、何から考えればいいかわからない」と感じた方は、お気軽にご相談ください。
具体的な要件が固まっていなくても問題ありません。業種や状況を伺いながら、Looker Studioでどんな見える化ができそうか、イメージ整理のお手伝いをします。
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