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AI2026.10.08

AGI・ASIとは?意味や違い、RSI(再帰的自己改善)との関係をわかりやすく解説【2026年版】

AGI(汎用人工知能)とASI(人工超知能)とは何かを、定義から解説します。AGIとASIの違い、再帰的自己改善(RSI)との関係、実現時期の予測の読み方まで、OpenAI・Google DeepMind・Anthropicなどの一次情報をもとに整理します。

AGIとASIは性能の水準の違い、RSIは水準とは別の進み方の用語であることを整理した手描き風イラスト

図1:AGIとASIは幅広い課題に対応できるAIで、違いは性能の水準です。RSIは水準とは別の「進み方」を表す用語です

AGI(汎用人工知能)は幅広い課題で人間並み、またはそれ以上の力を発揮できるAIを指すことが多く、ASI(人工超知能)はそのAGIをさらに大きく上回る水準のAIを指します。

両者の違いは、性能の水準にあります。

AGIやASIという言葉は目にするものの、そもそも何を指すのか、人に説明しようとすると言葉に詰まる、という方もいるかもしれません。特にAGIは、産業技術総合研究所(産総研)も、研究者の間で明確な定義は確立していないと述べています(AGIとは?)。

この記事では、AGI・ASIとは何かを定義から整理したうえで、両者の違いと、最近耳にするようになった再帰的自己改善(RSI)との関係を解説します。OpenAI・Google DeepMind・Anthropicなどの一次情報をもとにしています。

この記事でわかること
  • AGIとは:特定の作業に限らず幅広い課題に対応できるAIを指す用語で、OpenAIとDeepMindで基準が異なり、統一された定義はない
  • ASIとは:幅広い課題で人間全員を上回る水準のAIを指す用語。ただし、基準は文書によって異なる
  • AGIとASIの違いとRSI:AGIもASIも幅広い課題に対応できるAIを指し、違いは性能の水準にある。RSIは水準ではなく、AIがAI自身を改良していく「進み方」を指す別の軸の概念
  • 今のAIの位置づけ:DeepMindの研究者らは2026年6月の報告書で、現在のAIは多くの面で人間を上回る一方、汎用性はまだ十分ではないとしている。2026年の研究は、AIの能力が分野によってばらつく(ギザギザ)ことを指摘している。2026年9月にOpenAIがGPT-6 Astraを発表したが、同社の発表ページはAGIへの到達を述べておらず、ARC Prizeも高得点は「AGI到達の証明」にならないとしている
  • 実現時期の予測:どの定義のAGIか、誰の何についての予測かによって意味が変わるため、各社の主張として読む必要がある

AGI(汎用人工知能)とは?定義が1つに決まらない理由

OpenAIとGoogle DeepMindのAGI定義(基準と求める水準)を比較した手描き風の対比図

図2:OpenAIとGoogle DeepMindのAGI定義の違い(出典:OpenAI Charter、Google DeepMindをもとに作成)

AGIとは、特定の作業に限らず幅広い課題に対応できるAIを指す用語で、定義は組織ごとに異なります。

代表的な2つの定義を比べると、次のとおりです。

定義した組織定義の要旨基準になっているもの
OpenAI経済的に価値のあるほとんどの仕事で人間を上回る、高度に自律的なシステム(OpenAI Charter)経済的価値のある仕事
Google DeepMindほとんどの認知タスクで人間と少なくとも同等の能力を持つAI(Taking a responsible path to AGI)認知タスク(思考・判断・言語理解などの知的作業)

OpenAIは「人間を上回る」ことを、DeepMindは「同等以上」であることを求めています。基準となる軸も、仕事の経済的な価値と認知タスクで異なるため、同じ「AGI」という言葉でも到達点が変わります。

なお、OpenAIは2026年4月26日に「私たちの原則」を公表しています。この文書でも使命は「AGIが全人類に恩恵をもたらすことを確実にすること」とされていますが、AGIの定義は示されていません(Our principles)。定義が書かれているのは、上記の憲章のほうです。

産総研が指摘するとおり、「どこまでの機能を実現すればAGIと呼べるのか」を判断する基準がない点が、用語の混乱を招く一因です。

ASI(人工超知能)とは?AGIの先にある水準

ASIとは、幅広い課題や多くの領域で、人間を大きく上回る水準のAIを指す用語です。どの程度をASIと呼ぶかは文書によって異なり、Google DeepMindの「Levels of AGI」論文では「100%の人間を上回る」Level 5の汎用AI、2026年の「From AGI to ASI」報告書では「大規模な専門家集団を上回る」水準として説明されています。

DeepMindの研究者らは論文で、AIの能力を「性能の高さ」と「対応できる課題の幅」の2軸で分類しています。この分類では、幅広い課題に対応でき、かつ性能が「人間の100%を上回る」(Level 5)ものがASIに当たります(Levels of AGI for Operationalizing Progress on the Path to AGI)。「人間の100%を上回る」とは、「人間全員を上回る」という意味です。

産総研の記事も、超知性という語を取り上げています。超知性の開発を一定の条件下で禁止するよう求める文書に、研究者が署名した例を紹介する中で、本質的にすべての認知タスクで人間を大幅に上回る存在として引用しています。

ここで注意したいのは、特定の分野だけで人間を上回るAIはすでに存在するという点です。同論文は、タンパク質の立体構造を予測するAlphaFoldを、単一の課題で人間を上回る「Superhuman Narrow AI」(特定の分野に限った超人的AI)の例に挙げています。ASIが指すのは、こうした特定分野ではなく、幅広い課題で人間を上回る状態です。

なお、ASIの基準も文書によって異なります。DeepMindの研究者らによる2026年6月の報告書は、AGIを「ほとんどの認知タスクで人間の中央値程度」の水準と置いています。ASIは、個々の人間ではなく、大規模な専門家集団を上回る水準としています。個々の人間を上回ることを基準にした前掲の論文より、高い基準です(From AGI to ASI)。

AGIとASIの違いは?3つの用語を比較表で整理

AGIは幅広い課題で人間並み以上の力を発揮できるAI、ASIはそのAGIを大きく上回るAIです。RSIは能力の水準ではなく、AIが自らを改良していく進み方を指します。

前の2節で見たAGI・ASIに、RSIを加えた3つの用語を、それぞれ何を表しているかで並べると次のとおりです。

用語正式名称何を表すか能力の目安実現状況主な定義の出どころ
AGIArtificial General Intelligence(汎用人工知能)幅広い課題に対応できるAIのうち、性能が人間並み以上の水準人間と同等以上。ただし基準は定義によって異なる統一定義がなく、到達の判断基準も定まっていないOpenAI、DeepMind
ASIArtificial Superintelligence(人工超知能)幅広い課題に対応できるAIのうち、性能が人間全員を上回る水準幅広い課題で人間全員(論文の表現では「人間の100%」)を上回る(DeepMind論文のLevel 5)同論文は2023年9月時点で「未達成」と記載DeepMindの論文
RSIRecursive Self-Improvement(再帰的自己改善)AIの進み方(AIが自ら後継を作るか)水準は指定されない。Anthropicの定義は「後継のAIを自律的に設計・開発できる」こと完全な形は将来の可能性として議論されているAnthropic(この記事で採用した定義)

たとえるなら、AGIは「どんな仕事でも一通りこなせる新人」、ASIは「どんな仕事でも社内の誰よりうまくこなせるベテラン」のようなイメージです。RSIは、その新人やベテランが「自分の後任を自分で育てていく」ような進み方にあたります。

つまり、AGIとASIは「どのくらいできるか」の軸、RSIは「どう進化するか」の軸であり、3つは同じ物差しの上に並ぶ用語ではありません。次の節では、水準とは別の軸にあるRSIを詳しく見ていきます。

再帰的自己改善(RSI)とは?AGI・ASIとの関係

AIが開発作業の一部を担う現状の例と、AIが後継のAIを自律的に設計・開発し続ける完全な再帰的自己改善(RSI)のループを左右で比較した手描き風イラスト

図3:AIが開発作業の一部を担う例と、完全な再帰的自己改善(RSI)のイメージ(出典:Anthropic「When AI builds itself」をもとに作成)

再帰的自己改善(RSI)とは、AIが自らの後継となるAIを、人間の手を借りずに完全に自律して設計・開発できる状態を指す用語です。この記事では、Anthropicが「recursive self-improvement」として示している定義に沿って説明します。なお、投資の世界で使われるRSI(相対力指数)とは無関係の別物です。

RSIは今どこまで進んでいる?

RSIの完全な形は将来の可能性として議論されている段階ですが、AI開発へのAI活用は進んでいると報告されています。

Anthropicは、2026年5月時点で自社のプログラムに取り込んだコードの80%超をClaudeが書いたと述べています(When AI builds itself)。ただしこれは、AIが開発作業の一部を担っている例です。上記の定義に照らすと、後継のAIを完全に自律して作る状態とは区別されます。

OpenAIは2026年9月6日に、社内の実績をもとに、RSIに向けた進捗を公表しています(Research acceleration: The view inside OpenAI)。同社は、AIによる研究の自動化を、RSIの実現に向けた取り組みの一部と位置づけています。主な内容は次のとおりです。

  • 目標の達成:同社は、人間の指示の下で、明確に定義された研究タスク(熟練した研究者が数日かけるものを含む)を遂行できる「自動化されたリサーチインターン」という目標を達成したとしています。次の目標として、2028年3月までに、人間の監督下で研究を進め、改善を繰り返せる「自動化されたAI研究者」の実現を掲げています。
  • 利用状況:8月中旬時点で、研究組織は、人間が働く1日(8時間)に対して、コーディングエージェント(自律的にプログラムを書いて作業を進めるAI)が3.1日分に相当する稼働をしている計算です。
  • RSIとの距離:研究の優先順位や、システムの拡大・一時停止の判断は、依然として人間が行うとしています。そのうえで、アラインメント(AIを人間の意図や価値観に沿わせること)が確保された完全なRSIに安全に到達する方法は、まだ分かっていないとも述べています。RSIを急速に目指すかどうかは、人間による管理と、利益とリスクを踏まえた民主的な選択で決めるべきだ、という立場です。

OpenAIの現状も、研究の判断を人間が担っている点で、完全に自律した状態とは区別されます。

国内では、Sakana AIが専任の研究グループ「RSI Lab」を立ち上げ、AIがAIを作る研究に取り組むと発表しています(AIがAIを作る:Sakana AI「RSI Lab」始動)。

一方で、経済モデルを使った分析もあります。論文公開サイトのarXivに投稿された、査読前の論文(プレプリント)は、概算の試算を示しています。それによると、AIの成果が次のAI開発を加速させる循環は、現時点では自己持続的な加速を生むほど強くありません。ただし、強まりつつあるようにも見えると述べています(The Economics of Recursive Self-Improvement)。査読を経ていない可能性がある点には注意が必要です。

つまり、AI開発へのAI活用は進んでいる一方で、確認できた範囲では、完全なRSIに至ったという一次情報はありません。

AGI・ASIとの関係は?

RSIは、AGIやASIのような能力の水準ではなく、AIの進み方を表す用語です。つまりRSIは、AGI・ASIとは別の軸にあります。

Anthropicは、完全なRSIが「人間がAIシステムの制御を失うリスク」を高める可能性があるとしています。DeepMindの「Levels of AGI」論文も、AGIをめぐるリスクの議論を紹介する中で、AGIシステムが再帰的に自己改善するかもしれないと推測する見方がある、と記しています。

また、前掲の「From AGI to ASI」は、AGIからASIへの潜在的な経路として、次の4つを論じています。

  • AGIのスケーリング(計算量やデータ量を増やして性能を伸ばす)
  • AIのパラダイムシフト(AIの仕組みそのものが大きく切り替わる)
  • 再帰的改善(AIが自らを改良し続ける)
  • 大規模なマルチエージェント集団からの出現(多数のAIが連携する集団から生じる)

RSIは、リスクの議論だけでなく、ASIへの経路の1つとしても検討されています。ただし同報告書も、RSIがAGIからASIへの移行にどの程度関わるかは、その動き方が十分に理解されていないため不明としています。RSIが標準的な道筋として確立されているわけではありません。

ChatGPTなど今のAIはAGI?最新の研究で見る

現在のAIは、多くの面で人間を上回る一方、汎用性はまだ十分ではないと、DeepMindの研究者らは2026年6月の報告書で述べています(前掲の「From AGI to ASI」)。同報告書は、人間レベルのAGIが、今後10年以内かそれより早く手の届くところに来るかもしれない、という見方も示しています。

2026年の研究は、今のAIをどう評価している?

今のAIは難しい課題の多くで専門家レベルの性能を出す一方、物の数え上げなど簡単に見える課題でつまずくことがあり、能力が分野によってギザギザにばらつくことを、高低の違う棒グラフと3つの根拠カードで示した手描き風イラスト

図4:今のAIは、分野によって得意・不得意が大きくばらつくことがあるとされる(棒の高さはイメージで、数値ではありません)(出典:Characterizing Jaggedness Aids Safety & Usability、International AI Safety Report 2026、A Definition of AGIをもとに作成)

最近の研究は、今のAIの能力が分野によって大きくばらつくことに注目しています。

  • 能力のばらつき(ギザギザ):DeepMindの研究者らは2026年の論文で、最先端のAIは、難しい課題の多くで専門家レベルの性能を出す一方、多くの人にとって簡単な課題でつまずくことがあると述べています。この状態を「ギザギザ(jagged)」と呼び、測定して特徴づけることの重要性を論じています(Characterizing Jaggedness Aids Safety & Usability)。
  • 国際的な報告書の評価:2026年2月に公表された「国際AI安全報告書2026」(100人以上の専門家が執筆)も、最先端のシステムは複雑なタスクが得意な一方で、画像内の物の数え上げや物理的な空間の推論など、単純に見える課題で失敗することがあるとしています。AIエージェントが完了できるソフトウェアのタスクの複雑さは、約7か月で倍増していると推定しています(International AI Safety Report 2026)。
  • AGIの達成度を数値で示す試み:研究者33人による論文「A Definition of AGI」(2025年)は、AGIを、十分な教育を受けた成人に匹敵する認知的な多様性と習熟度を持つAIと定義しました。10の認知領域で評価し、GPT-4は27%、GPT-5は57%という数値を示しています。知識を要する領域は得意でも、長期記憶の保存に大きな欠陥があるとされています(A Definition of AGI)。
  • AGIへの進捗を測る枠組み:DeepMindは2026年3月に、汎用的な知能に重要だと考える知覚、記憶、推論など10の認知能力を挙げ、能力ごとにAIの成績を人間の成績の分布の中に位置づける評価の枠組みを公表しています(Measuring progress toward AGI: A cognitive framework)。

つまり、今のAIは「AGIか、そうでないか」の二択ではなく、分野ごとの得意・不得意のばらつきとして評価されつつあります。

GPT-6 Astraの発表は、AGIへの到達を意味する?

AIの性能は、ベンチマークの上でも伸び続けています。たとえばOpenAIは2026年9月に「GPT-6 Astra」を発表し、ARC-AGI-3など複数のベンチマークで高いスコアを報告しています(GPT-6 Astra: A new generation of intelligence)。ARC-AGI-3は、新しい抽象的な環境で、AIが目標を推測しながら行動を計画する力を測るベンチマークです。ただし、OpenAIの発表ページにAGIに到達したという記述はなく、「AGI」の語が出てくるのは、ベンチマーク名(ARC-AGI)の部分です。

ARC-AGI-3を運営するARC Prizeの公式記事は、GPT-6 Astraのスコアが評価環境によって異なると報告しています。標準の評価環境では62.7%、OpenAIが提供する環境では99.9%です。同記事は、このベンチマークの高得点は「AGI到達の証明」にはならないとも述べています(OpenAI's GPT-6 Astra on ARC-AGI-3)。ベンチマークの得点だけでAGIかどうかは決まらないため、「どの定義で見るか」を確認することが欠かせません。

なお、ARC-AGI-3の技術報告(2026年3月)は、人間がすべての環境を解ける一方、当時の最先端のAIのスコアは1%未満だったと報告しています(ARC-AGI-3: A New Challenge for Frontier Agentic Intelligence)。

▼ GPT-6 Astraの発表内容や仕様・料金、安全性評価については下記の記事をご覧ください。

【参考】2023年のDeepMindの論文の5段階では?

2026年の報告書も参照している2023年のDeepMindの論文は、AIの性能を5段階で整理しています。ChatGPTなどの対話型AIは、この論文(2023年9月時点)では、AGIの最初の段階である「Emerging AGI」(初期段階のAGI)とされています。ただし、Emerging AGIの比較対象は「熟練していない人間」で、OpenAIの定義(ほとんどの仕事で人間を上回る)より緩い基準です。また、これは2023年9月時点の評価であり、その後に登場したモデルには当てはまらない可能性があります。

5段階は次のとおりです。「汎用AI」の列は、論文が2023年9月の執筆時点で示した評価です。パーセンタイルとは、100人を能力順に並べたときの位置を示す指標で、たとえば90パーセンタイル以上は、100人中で上位10人に入る水準を意味します。

段階性能の目安(Level 2〜4は熟練した成人との比較)汎用AI(General)の評価
Level 1: Emerging未熟練の人間と同等か、やや上Emerging AGI(初期段階):ChatGPT、Bard、Llama 2、Gemini
Level 2: Competent熟練した成人の50パーセンタイル以上Competent AGI:未達成
Level 3: Expert90パーセンタイル以上Expert AGI:未達成
Level 4: Exceptional99パーセンタイル以上Exceptional AGI:未達成
Level 5: Superhuman人間の100%を上回るASI:未達成

※論文本文が2023年9月時点の例として挙げているのは、ChatGPT・Bard・Llama 2です。表には、同年12月に発表されたGeminiも含まれています。

論文はこの分類の中で、OpenAIの定義は「Exceptional AGI」に近いと位置づけています。つまり、OpenAIの基準でAGIを考えると、求められる水準は上位1%の熟練者に近いLevel 4相当で、ASI(Level 5)の一段手前にあたります。

また同論文は、当時の最先端の言語モデルが、短い小論文の作成などの一部の課題では「Competent」の水準にある一方、数学などの多くの課題では「Emerging」にとどまるとしています。この分類は概算であり、正確に判定するには標準化されたベンチマーク(性能を測る共通の試験)が必要だとも注記されています。

AGIはいつ実現する?予測の読み方

AGIの実現時期は、何をAGIと呼ぶかによって変わるため、「何年に実現する」と言い切ることはできません。

一次情報で目にする「時期」の予測は、AGIの到達そのものとは限りません。たとえばRSIの節で紹介したAnthropicの記事は、傾向が続けば、熟練者が数日かける作業をAIが処理できる可能性が2026年内にある、と述べています。さらに、2027年には人間に数週間かかる作業をこなせる可能性がある、とも述べています。これはAI開発企業自身の見通しで、AGIの到達時期の予測ではありません。

予測を読むときは、次の5点を確認すると誤解を避けられます。

  • 誰の予測か(開発企業の見通しか、第三者の分析か)
  • 何を基準にしているか(どの定義のAGIか)
  • 何についての予測か(AGIの到達か、特定の作業の長さか)
  • 条件付きの予測ではないか(「傾向が続けば」など)
  • 根拠となる原文を確認できるか

まとめ

AGIとASIは、どちらも幅広い課題に対応できるAIを指し、性能の水準(人間並み以上か、人間全員を上回るか)で区別されます。RSIは、水準ではなくAIの「進み方」を表す用語です。

  • AGIとASIの違い:AGIは幅広い課題で人間並み以上、ASIは幅広い課題で人間全員を上回る水準を指します。AGIの定義はOpenAIとDeepMindで基準が異なり、ASIの基準も、2023年の論文と2026年6月の報告書で異なります。
  • RSIとの関係:RSIは、能力の水準ではなく、AIが後継のAIを自律的に作る進み方を指します。ASIへの経路の1つとしても検討されています。AnthropicやOpenAIは、社内の開発・研究でのAI活用の進展を報告しています。ただし、OpenAIは安全な到達方法はまだ分かっていないとしており、完全な形は将来の可能性として議論されています。
  • 今のAIの位置づけ:DeepMindの研究者らは2026年6月の報告書で、現在のAIは多くの面で人間を上回る一方、汎用性はまだ十分ではないとしています。2026年の研究は、AIの能力が分野によってばらつくことを指摘しています。2026年9月発表のGPT-6 Astraについても、OpenAIの発表ページはAGIへの到達を述べておらず、ARC Prizeも高得点は「AGI到達の証明」にならないとしています。
  • 実現時期の予測:定義や条件によって意味が変わるため、誰の・何の予測かを確認して読む必要があります。

出典一覧

  1. 「AGIとは?」 — 産業技術総合研究所(産総研マガジン)(2026-09-02)
  2. 「OpenAI Charter」 — OpenAI(2018)
  3. 「Taking a responsible path to AGI」 — Google DeepMind(2025-04-02)
  4. 「Levels of AGI for Operationalizing Progress on the Path to AGI」 — arXiv(2023-11-04初版・2025-09-24改訂)
  5. 「When AI builds itself」 — Anthropic(Anthropic Institute)(2026-09-18更新)
  6. 「AIがAIを作る:Sakana AI「RSI Lab」始動」 — Sakana AI
  7. 「The Economics of Recursive Self-Improvement」 — arXiv(プレプリント)(2026-09-14)
  8. 「Our principles」 — OpenAI(2026-04-26)
  9. 「GPT-6 Astra: A new generation of intelligence」 — OpenAI(2026-09-29更新)
  10. 「From AGI to ASI」 — arXiv(Google DeepMindの研究者ら)(2026-06-10初版・2026-08-30改訂)
  11. 「Measuring progress toward AGI: A cognitive framework」 — Google(2026-03-17)
  12. 「OpenAI's GPT-6 Astra on ARC-AGI-3」 — ARC Prize(2026-09-03)
  13. 「A Definition of AGI」 — arXiv(2025-10-21初版・2025-12-03改訂)
  14. 「Characterizing Jaggedness Aids Safety & Usability」 — Google DeepMindの研究者ら(2026-01-27初版・2026-05-06改訂)
  15. 「International AI Safety Report 2026」 — International AI Safety Report(2026-02-03)
  16. 「ARC-AGI-3: A New Challenge for Frontier Agentic Intelligence」 — arXiv(ARC Prize Foundation)(2026-03-24初版・2026-04-17改訂)
  17. 「Research acceleration: The view inside OpenAI」 — OpenAI(2026-09-06)
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AGIASI再帰的自己改善生成AI
えだまめ

執筆者:えだまめ

Elcamyでバックオフィスとブログ執筆を担当。AI未経験の状態からAI活用を学び、Claude CodeをはじめとするAIエージェントの実務活用法を発信している。

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