【初心者・非エンジニアでもわかる】CPUとは
1. CPUの役割
CPUは、コンピュータのプログラム(ソフトウェア)が要求する処理を実行します。具体的には、次のような役割を持っています:
- 命令の実行 プログラムで記述された命令を1つ1つ解釈して実行します。
- 演算 数値の計算や論理演算を行います。
- データの移動 データをメモリや他のハードウェアから読み出したり、書き込んだりします。
- 制御 各デバイス(メモリ、ストレージ、入出力機器など)に適切な命令を送り、協調して動作させます。
2. CPUの構造
CPUはいくつかの重要な部分から構成されています。主な部品は次の通りです:
- ALU(算術論理演算装置) ALUは、数値の加算や減算などの「算術演算」や、AND、ORなどの「論理演算」を行う部分です。
- レジスタ これは、データや命令を一時的に保存する非常に高速なメモリ領域です。CPU内部で一時的に使うデータや結果が保存されます。
- 制御装置 プログラムの命令を解釈し、それを実行するために各部品に指示を出します。たとえば、次にどの命令を実行するかを決定し、メモリからその命令を読み込みます。
- キャッシュメモリ CPUがすぐにアクセスできる小さなメモリ領域で、よく使われるデータや命令を保存します。これにより、処理速度を向上させます。
- クロック CPUは「クロック」という一定のリズムで動作しており、このリズムに従って命令が順次処理されます。クロック速度はGHz(ギガヘルツ)という単位で表され、1秒間に何十億回の動作が可能かを示します。
3. CPUの動作サイクル
CPUが行う処理は、通常「フェッチ・デコード・実行サイクル」と呼ばれる一連の手順で実行されます。
3.1 フェッチ(Fetch)
プログラムの命令をメモリから読み出す作業です。CPUは、次に実行すべき命令が保存されている場所(メモリアドレス)を指定し、そこから命令を取得します。
3.2 デコード(Decode)
取得した命令をCPUが理解できる形に「解読」する作業です。命令がどのような処理を要求しているのかを解析し、次にどの演算を行うべきかを決定します。
3.3 実行(Execute)
解読した命令に基づいて、実際に演算やデータの移動などの処理を行います。例えば、数値を加算する命令であれば、ALUがその処理を担当します。
4. CPUのクロック速度とコア
4.1 クロック速度
CPUのクロック速度(動作速度)は、CPUが1秒間に実行できる命令の数を決定します。一般的に、クロック速度が高いほど処理が速くなります。現在のCPUは数GHzの速度で動作しており、1秒間に数十億の命令を処理することができます。
CPUクロック速度 | 説明 |
1 GHz | 1秒間に10億の動作が可能 |
3 GHz | 1秒間に30億の動作が可能 |
5 GHz | 1秒間に50億の動作が可能 |
4.2 マルチコアCPU
現代のCPUは「マルチコア」と呼ばれる複数のコア(処理ユニット)を持っています。1つのコアが1つの命令を処理するので、コアの数が多ければ同時に複数の命令を処理できるため、処理能力が飛躍的に向上します。
CPUのコア数 | 説明 |
デュアルコア | 2つのコアで同時に処理を行う |
クアッドコア | 4つのコアで同時に処理を行う |
オクタコア | 8つのコアで同時に処理を行う |